
[農園・プロセス]
生産国:インドネシア
産地: スラウェシ島 サパン地区、インドネシア
農園:コピティアム協力農園
栽培品種:アラビカ
プロセス:セミウォッシュド[スマトラ式]/豊かな甘みと滑らかな口当たり柔らかな酸味を引き出す
標高:1,400~2,100m
焙煎人のコメント
焙煎は直火式で深煎りに仕上げているため、豆本来の個性を残しながら、香ばしさとすっきりした苦味を引き出しています。しっかりとしたコクを楽しみたい方にはおすすめです。
Story
この豆の魅力を支えているのが、インドネシアらしいスマトラ式精製です。果実味を鮮やかに際立たせるというよりも、甘みや厚み、そして陰影のある風味へとゆっくり導いていく。そのため、このコーヒーには、深煎りでありながら単に苦いだけではない、複層的な味わいが生まれています。

口に含むと、まずダークチョコレートのようなほろ苦さが広がります。続いて、モラセスやブラウンシュガーを思わせるコクのある甘みがゆるやかに現れ、さらにメープルシロップのような丸みが全体をやさしく包み込みます。後味にはミルキーななめらかさが残り、深煎りらしい満足感がありながら、飲み口は意外なほど穏やかです。
その奥に、柑橘を思わせるやわらかな酸味がほのかに差し込みます。この酸味が味わい全体に静かな明るさをもたらし、重たくなりすぎない印象へと整えています。深いコクを楽しみながらも、最後まですっきり飲み進められるのが、この銘柄の大きな魅力です。
香りにも、このコーヒーならではの個性があります。ハーブのような涼やかさ、シダーを思わせる乾いた木の香り、そしてウッディでスモーキー、アーシーなニュアンスが幾重にも重なります。飲み進めるうちに、湿った土の気配と乾いた木材の印象が交差し、山あいの空気を思わせるような奥行きが立ち上がります。
特に印象的なのは、余韻に現れるほのかな清涼感です。メントールを思わせるすっとした感触が、深煎り特有の苦味を重く終わらせず、後口をきれいに引き締めます。この「深いのに重たすぎない」バランスこそが、本品の個性といえるでしょう。
おすすめの淹れ方
抽出器具によって表情が変わるのも、この豆のおもしろさです。香りの抜けをきれいに楽しみたいならハリオV60、甘みと厚みを安定して引き出したいならカリタウェーブ、落ち着いた苦味とコクをより深く味わいたいならカリタの台形3つ穴がおすすめです。朝には輪郭のある苦味が気分を整え、夜には甘い余韻と木質香が静かな時間をつくってくれます。森の深さと清涼な後味が同居する、印象深い深煎りです。
コラム
スマトラ式(セミウォッシュド)は、インドネシアで広く用いられてきた精製方法です。湿度の高い環境に適した手法で、果実味を前面に出すというより、厚みのある甘み、なめらかな口当たり、土や木を思わせる陰影深い風味を引き出しやすい特徴があります。本品に感じられるウッディな香りやミルキーな余韻も、この精製がもたらす魅力のひとつです。
もちろんエスプレッソのような力強い抽出にも好相性。日常のドリップでも香りと甘みがきれいに表れるので幅広くお楽しみ頂くことの出来る豆となっています。

