柴田 大輔(しばた・だいすけ)
profile
1980年 茨城県出身 フォトジャーナリスト
写真専門学校を卒業後、フリーランスとして活動。ラテンアメリカ13カ国を旅して多様な風土と人の暮らしに強く惹かれる。2006年からコロンビア取材を始め、生活を共にしながら住民の側から見た紛争、難民、先住民族、麻薬問題を取材。その他、ラテンアメリカ諸国の人々、日本の農村、障害福祉などをテーマに撮影を続けている。
(ウェブサイトより)
https://www.daisuke-shibata.com
展示記録
柴田大輔写真展『コロンビア、ある老夫婦の物語 一杯の珈琲から始まる一日』
【会期】2017年11月7日〜12月9日
【会場】2階の部屋(オルタナティブスペース/珈琲焙煎舎)
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一杯の珈琲から始まる一日 コロンビア、ある老夫婦の物語
珈琲の国コロンビアでは昨年、半世紀に及んだ反政府ゲリラ・コロンビア革命軍と政府間の内戦が終わりを告げました。多くの人々を苦しめたこの内戦の中で生きてきた人々がいます。
僕が2007年から訪ねているフペナルさん・ラウラさん夫妻は以前、コロンビア南西部に位置する山深い地にある集落で生活していましたが、2001年以降、この土地に戦争が訪れ、恐怖から逃れるため町に出てきました。彼らの集落からは、その後、2000年代中期より住民の9割近くが避難民化することとなります。
僕が夫妻と出会ったのは、隣国エクアドルで難民として暮らしていた2人の息子さんの家でした。彼らは、家族が離れ離れとなりながらも、僅かなお金が入ると、旅費に当てて家族を訪れあっていました。
現在、2人とも90歳を迎え、体が弱ってしまい、長い山道を歩くことができなくなりました。故郷は戦争が収東を迎えたものの、再び戻ることは難しくなっています。毎年訪ねるごと、家族が支えあい暮らす日々に、カメラを向けさせていただきました。コロンビアに暮らす、2人に流れる時間を感じていただけたらと思います。
柴田大輔